不条理な恋でも…【完】
「でも、こんなに震えてるぞ?」
その言葉に目を見開いて、涙を流したまま唇を噛みしめた。
「ほのか…
明日が気になって落ち着かないか?
最悪、延期しても…」
私は振っていた頭を止め、涙でゆらゆらとする視界の向こうの大希さんを見た。
「それは…
それだけは…」
「大丈夫だから、本当に…」
私の震えはまだ治まっていないが、
それでも大希さんにこれ以上心配をかけたくなくて無理矢理に口角を上げた。
精一杯の笑顔に見えるだろうか?
でも目の前の大希さんがため息をつく。
「何よりも大切なのはお前なんだから、
俺の前ではもうこれ以上無理しないでくれ」
大希さんはいつもこうなると自分ですらどうすることもできない私の事を、
拒絶するわけではなく、でも見捨てることもせず、
ただ黙って根気強く付き合ってくれる。
しばらくすると、いつものように震えは徐々に治まっていった。
たぶん、あの事件で男性恐怖症になってから、錯乱するとそれが安心できる
大希さんでも、怖くなってしまう。
それでも私の腰の手が…
離れることはなかった。
彼は今までも今からもこうやって一番傍で寄り添ってくれるのだろう…
それでも大希さんが私に対して、遠慮していることは分かっていた。
その言葉に目を見開いて、涙を流したまま唇を噛みしめた。
「ほのか…
明日が気になって落ち着かないか?
最悪、延期しても…」
私は振っていた頭を止め、涙でゆらゆらとする視界の向こうの大希さんを見た。
「それは…
それだけは…」
「大丈夫だから、本当に…」
私の震えはまだ治まっていないが、
それでも大希さんにこれ以上心配をかけたくなくて無理矢理に口角を上げた。
精一杯の笑顔に見えるだろうか?
でも目の前の大希さんがため息をつく。
「何よりも大切なのはお前なんだから、
俺の前ではもうこれ以上無理しないでくれ」
大希さんはいつもこうなると自分ですらどうすることもできない私の事を、
拒絶するわけではなく、でも見捨てることもせず、
ただ黙って根気強く付き合ってくれる。
しばらくすると、いつものように震えは徐々に治まっていった。
たぶん、あの事件で男性恐怖症になってから、錯乱するとそれが安心できる
大希さんでも、怖くなってしまう。
それでも私の腰の手が…
離れることはなかった。
彼は今までも今からもこうやって一番傍で寄り添ってくれるのだろう…
それでも大希さんが私に対して、遠慮していることは分かっていた。