不条理な恋でも…【完】
内側から沸々と沸き出る熱に、冷たい水がとめどなく流れる…

一気に覚める心と躰。

今日、入籍も、結婚式も終えることができて、正式に夫婦になった俺たち。

夫として俺は、ほのかとどう向き合っていけばいいのだろうか?


今、薬を飲むのはやめているはずだから、

もしすぐに子どもができても問題はないだろう。

でもその前に何年かでも…

2,3年でいいから二人でゆっくりした時間を過ごしたい気持ちが強かった。


この後もすぐ、新婚旅行には行く予定にはしていなかった。

もともと疲れやすいほのか。結婚式と披露宴は、

想像しただけで君の負担になることは明らかだったから…

すぐにどこかに出かけるよりも、今夜ここに泊まったら新居に戻って、

まずは俺とほのかの新しい日常を送ることに

慣れるほうがいいのではないかと思ったからだ。


仕事も少しずつセーブして、任せられることは他人に任せればいい…

仕事は俺でなくてもできる。

ほどほどに働いて、時には長期休暇を取ったりして…

ほのかと夫婦として穏やかに過ごす時間は、

俺自身が何よりも望んでいたもので、

それをやっと手にする時が来たのだから。


そういうこれから開かれた明るい未来のことを考えながら…

シャワーの温度を上げた。



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