不条理な恋でも…【完】
アイシテル…(大希)
ほのかの甘い唇を舐めつくす。

このまま痺れるような甘さを味わっていたかったけど…

少し距離を取って、ほのかの愛おしい顔を見たかった。


ゆっくりと閉じていた瞼が上がり、揺れる瞳を見つめていると、

それだけで下半身が疼いた。

自然と瞳にも力がこもっていたのだろうか…

ほのかの光彩が開いてびくっと躰を震えわせた気がして、

これだけでそんな反応をされるなんて…

俺の気分は一瞬で落ち込んで、

「すまない…

つい」

と言っていったん躰を引いた。

それでも今夜はもう、引き下がりたくなかった


「お前がまだそういうことがまだ無理だと思うなら、

今のうちに言って欲しい…


お前が大事なんだ。

本当に…

本当に…

大事にしたいんだ。絶対に傷つけたくない。

でも俺も男だ。そういう欲望がないって言えば嘘になる。


本当は付き合うことになった時から、

恋人になる事を許してくれたその瞬間から、お前を抱きたくて抱きたくて…

仕方がなかった」

口をついて出たのは、こんなウソ。大事な事は事実だが、

俺は本当にどうしようもない…

偽善者だ。

本音は今すぐにでも押し倒して、剥ぎ取って、貪りつくして、

奪い去りたいくせに…
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