不条理な恋でも…【完】
あいしています…(穂香)
大希さんに抱き上げられてベッドルームに連れて行かれた。

その胸の中で、私の瞼によぎったのは眞人の切ない顔…

一瞬罪悪感で大希さんを見上げたが、彼はまっすぐと前に向き

決意を固めているようだった。


ドアが開き、私は白いベッドにゆっくりと横たえられた。

それから大希さんはこともあろうに上着を脱ぎ捨てた…

暗闇に浮かび上がる裸体。私はその綺麗な姿に釘付けになった。

『キレイ…』

言葉にはならなかったが感嘆が心に溢れた。

でも次の瞬間、彼は私の腰に跨り組み敷いてしまった…

私はその重みを感じて勝手に体が硬直した。


受け入れたくないわけじゃない…

でも男の人が…

欲情した男の瞳が…

コワイ。


「ほのかは何もしなくていいから、全部俺に任せて…

捧げる俺の愛をその身で感じて…」


私はその怖いと感じてしまう瞳から逃げるように瞼を閉じた。

唇に柔らかいものが押し当てられ…

その感触に気分が舞い上がる。

キスってこんなに気持ちいいものなのだろうか?

最初はただ唇同志を触れ合わせ、啄むようにくっつくだけだった口づけ。

それが段々と恋人のする、深いものに変わっていく。

それはまるで私たちの関係の様だった…
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