不条理な恋でも…【完】
「下着を脱いで、足を乗せてそこに座ってくださいね」

看護師は当たり前のように話す…

その診察台は、目隠しの布はあるものの、

あられもない姿をさせられるものだった…


そんなことは何も知らずに、私はこんなところに来てしまった…

お医者様は男性。

私は、ドアを閉めたもののその場に立ち尽くした。


「すみません…」

震えるカラダを自分で強く抱きしめて、勇気を振り絞って看護師を呼んだ。


「どうしましたか?」

カーテン越しに話しかけてくるので、

「すみません、ちょっとこちらに来てもらえますか?」

私はなんとかここに来て欲しかった…

カーテンをめくって看護師がこちらに入ってきた。

私を見るなり

「佐々木さん真っ青だけど大丈夫?」

そう声をかけ近寄ってきた。

「はい、なんとか…」

「なんとかって状態じゃないでしょ?まずは座って」

私をそばにあったパイプ椅子に腰かけさせる。

「気分が悪くなったんですか?それとも…」

「いえ、大丈夫です」

血の気が下がり、遠のく意識を必死に手繰り寄せる。

「もしかして内診は初めて?」

「…はい」

返事をしながら、躰が震え始める…
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