不条理な恋でも…【完】
きりきり…(穂香)
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「僕は、元々この世界の住人ではない。

だから、もうこれ以上は君と一緒にいられない。

君の持つ恋心は不条理だ。

そして、僕の抱く君への愛は理不尽極まりない」



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それはあの人からの最初で最後の手紙。

真っ黒でグルグルの景色の中、私の目の前にはその手紙が1枚。

開かれたままふわふわと浮いていた…

漆黒の闇と光が混じる中、白い便箋。


あ、またこれ…

『お前はひとりなんだ…』

『お前は捨てられたんだ…』

『お前に魅力がなかったんだ…』


まわりから降ってくる罵り。私は頭を抱えて、

がむしゃらに首を左右に振り続けた…


私はこの場面を何度も何度も繰り返し見ている…

これはまちがいなく夢。


そうわかっているのに、それでも…

コワイ。イヤダ!!

突然衝動的に何かわからないものから逃げたくて、私は全力で走った…

それなのに、その手紙はどこまでも私の目の前に見える…

でもそんなに疾走できるはずもなく程なくして

何もない平らな場所なのに転んでしまう。
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