一冬の恋にはしたくない。
なんとかコースを必死に走っていく。

「山崎さんてさー下の名前珍しいよね。」

と先生は余裕で雑談。
私は必死だから

「…そうですか?」

と言うのがやっと。

「漢字も果実の実だし。」

「あーそれは冬の実なんですよ。
冬生まれだから。」

と先生の顔をまったく見ずに言う。
慣れてる話題だからなんとか答えられる。

「あー、お父さんとお母さんの愛の結晶だもんなー。」

と先生は言った。

「なんかちょっとオヤジっぽい 笑」

と少しニヤつきながら言った。

「なに!?
全然だろ!俺まだ若いし!」

「何歳なんですか?」

「28!まあもうすぐ29だけど。」

「え、いつなんですか?」

「3/30。山崎さん達が帰った後かなー。山崎さんはいくつ?」

「19ー。まあ私ももうすぐはたちだけど。」

「いつ?」

「4/15!」

「それでもはたちだろ?若いなー。まだ、10代だもんなー。そりゃ俺もおっさんか。」

「いや、先生はまだ若いよ!」

「いや、気使わなくていいから。」

「見たときから若いなーと思ってましたよ。イケメンだし。」

「それおじさんたちの中ではでしょ。
それとも、ドキドキした?笑」

ドキッ。

「それはまあ否めない。
いやーそれはないな!笑」

「うわひどー!」

とか雑談してたら運転に必死だったこともあってわりとすぐ終わった。
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