愛しい人
次の日…

本当は学校に行く気は
なかったけど、一人で
いるよりは、優香たち
といた方が気楽だから
学校に行くことにした。



―昼休み―

最近、学校ではよくい
つもの6人+ひなのチャン
で過ごしていた。

今日もいつものように
あたしたちは、にぎや
かだった。

でも、あたしは一人
だけ少し暗かった。


まわりはにぎやかでも
あたしの中では、やっ
ぱり昨日の映像が何度
も再生されてたんだ。


あたしはだんだん気持
ち悪くなってきて…

『ごめん。トイレ行っ
てくる~☆』

「はいよ~!」


あたしはわざと明るく
振る舞いトイレに走った。


気持ちが落ち着くまで、
しばらくトイレにいた。


落ち着いた頃…

トイレから出て、教室
に行こうとした。



「りさ…?大丈夫か?」


トイレを出た時…

あなたは入口に立ってた。



『…隼人。』

「なんかりさ朝から元
気なかったし、心配だ
ったから…」

『そか…ありがとね☆』


あたしは無理に笑顔
を作った。


「無理すんなって。
なんかあったろ?…
一人で抱えんなよ。」

『大丈夫っ大丈夫っ』



ダメなんだよ。

なんで
そんなに優しくするの?

なんで
あたしの異変にすぐ
気付いてくれるの?


なんで
あたしのために待って
てくれたの?



隼人には

ひなのチャンいるじゃん。


ダメなんだよ。

そんなに優しくされたら
また好きになっちゃう
からさー…


ただの友達のままで
いられなくなるから。

努力台無しっ…



『大丈夫っ…ありがとう』

「りさは一人でよく抱
え込むからなぁ。
…本当になんにもない
ならいいけどさ…☆」

『うん…大丈夫っ…っ…』

「りさ…?」



知らない間に涙が流れてた。


「りさ…やっぱなんか
あったろ?俺なら相談
…のったるよ?」

『ごめんっ大丈夫だから…』


あたしは走り去った。


ごめんねっ隼人…
ありがとう…



「りさ…」

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