愛しい人

「りさはさ、俺の
こと好きか？笑」

『うん。好きだよ。』



初めて言った。

亮に好きって…




「なぁ…キスしていい？」



亮の顔が近付いてきた。




ふいによみがえる。

あの記憶…

知らない男の顔が
近付いてきて、
キスされた映像。




『だっ…だめっ…』



あたしはとっさに
拒否してしまった。


目の前にいるのは、
知らない男じゃなく
て亮なのに…ー




知らない間に涙が溢れた。



「ごめん。嫌だった？」

『ちがっ…ごめん。』




あたしはまだ亮に
話せなかった。

レイプされたこと。

引かれるんじゃない
かって怖かった。




『…ごめん。あたし…
帰るね？…ごめん…』



あたしは帰ろうと
立ち上がった。