青春を取り戻せ!
きっと“R・A・ハインライン”のSF小説『夏への扉』の主人公も、冷凍睡眠(コールドスリープ)から醒めて彼女に会いに行くとき同じような気持ちを味わったのではないかと思う。
懐かしい僕の家に着いた。
さぞ朽ちているだろうと想像していたが、多少色褪せ、芝が奔放に伸びているだけだった。7年前とほとんど変わらなかった。たぶん優紀が定期的に掃除してくれていたのだろう。
しばらく眺めた後、少し緊張し、優紀の家の前に佇(たたず)んだ。
ジャケットを脱いで門の石柱に掛けると、ワイシャツの袖をまくり、バラの花束を両手で抱え直した。黙って門を開け、玄関まで進んだ。
チャイムを鳴らした。
「ハーイ! どなたですか?」
しっとりとした大人の女の声だったが、懐かしい響きが感じられた。
僕はそれだけで胸が一杯になり、涙をこらえるのに苦労した。
「あっあの、花屋ですけど、ご注文の品をお届けにあがりました」
「はい。少々お待ちください」
ロックを外す音がして、ドアがゆっくりと動きはじめた。
半分ほど開いたドアの隙間から、ブルーのサマー・セーターと白いスカートの成熟した女性の姿が、僕の目に飛び込んできた。
徐々に彼女の顔に光が差し込んだ。
ゆるやかなウェーブのある長い髪がそれを反射し、一本いっぽんが自己主張をしながらキラキラと輝いた。 更にほおがきらめく白さで際立った。
懐かしい僕の家に着いた。
さぞ朽ちているだろうと想像していたが、多少色褪せ、芝が奔放に伸びているだけだった。7年前とほとんど変わらなかった。たぶん優紀が定期的に掃除してくれていたのだろう。
しばらく眺めた後、少し緊張し、優紀の家の前に佇(たたず)んだ。
ジャケットを脱いで門の石柱に掛けると、ワイシャツの袖をまくり、バラの花束を両手で抱え直した。黙って門を開け、玄関まで進んだ。
チャイムを鳴らした。
「ハーイ! どなたですか?」
しっとりとした大人の女の声だったが、懐かしい響きが感じられた。
僕はそれだけで胸が一杯になり、涙をこらえるのに苦労した。
「あっあの、花屋ですけど、ご注文の品をお届けにあがりました」
「はい。少々お待ちください」
ロックを外す音がして、ドアがゆっくりと動きはじめた。
半分ほど開いたドアの隙間から、ブルーのサマー・セーターと白いスカートの成熟した女性の姿が、僕の目に飛び込んできた。
徐々に彼女の顔に光が差し込んだ。
ゆるやかなウェーブのある長い髪がそれを反射し、一本いっぽんが自己主張をしながらキラキラと輝いた。 更にほおがきらめく白さで際立った。