青春を取り戻せ!
夢に向かって
プレリュード
白木夫婦が8月10日から3日間、軽井沢プリンス・ホテルに滞在予定になっているという優紀の情報で、僕は軽井沢に車をとばした。
彼らのことだからゴルフの予定を入れていると推測し、ゴルフ場を当たった。
しかし晴山ゴルフクラブ、72カントリークラブ、軽井沢ゴルフクラブと、ホテルから30分圏内のゴルフ場をシラミつぶしに調べたが、どこにも彼らの予約は入っていなかった。
途方に暮れたが、どうしても諦め切れない僕は、半径を広げ、大浅間カントリークラブにも足を伸ばした。
フロントに真直ぐ進んだ。
季節にタイムリーな燕のような格好をした青年が、僕が近付くと急いでタバコをもみ消した。
「ちょっと確認したいのですが、白木猛で8月11日か12日に予約が入ってますか?」
「お時間はわかりますか?」
「時間は忘れました」
「エーッ 少々お待ちください」
青年は奥に消えた。数分後に台紙を持って現れた。
「11日と12日の両日に入っております」
「白木未美と二人だけでの予約ですか?」
「ええ。両日ともそうですが、別のお二方と組ましていただきました。…四人だとご都合が悪いのですか?」
青年は不思議そうな顔をした。
「ええと、12日だけでいいんですが、その白木御夫妻の組に水島高嗣と阿木務を入れてもらえませんか?」
「六人では回れませんよ」
と、呆れ顔で青年は言った。