青春を取り戻せ!
「では、グッナイト!」
と手を振り、出て行った。

僕はリバティに連れられてそこを出ると、ホテルの小部屋に入った。

彼女は優雅に機敏に動くと、お茶を出し、バスの準備をはじめた。

「お風呂、ご用意できました」

「うーん。私は後にするよ」

彼女はグレーがかった瞳で僕の表情を読み取る努力をしていたが、諦めたようだ。

「私、先に入らせていただいて宜しいでしょうか?」

「あっどうぞ」

しばらくすると、バスルームからシャワーを使う音が聞こえた。

その音がやむと、バスタオル一枚だけの彼女の姿が視界に現われた。

彼女は椅子に座っている僕の後ろにまわると、両手を肩に掛け、上気した顔を前にまわした。

「ねぇ お風呂、早くお入りになって」

「私は入らないよ」

「えっ、どうなさるの?」

「ちょっと、ここに座ってごらん」

彼女は僕の肩から手を離すと、前の椅子に座り、僕の目を陰媚(いんび)に濡れたグレーがかった瞳で見つめた。

僕は一回深呼吸をしてから喋りはじめた。

「ごめん。どうしてもしたくないんだ。…いや、できないと言ったほうが正確かな」

「どういうこと?」
彼女が乗り出した拍子に、タオルからこぼれそうな、たわわな乳房が挑発的に揺れた。
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