青春を取り戻せ!
…しかし、それは幻の金額で、税金で約28億持っていかれますから、実際は12億だということも」

「君のだす20億も同様だろう?」

「いいえ。私の所では、使途不明金ということで処理いたしますから、先生には丸々20億が入ります」

「えっ?だが、20億もの使途不明金では税務署が黙ってないだろう」

「おっしゃる通りです。フフ…先生にはいい加減なことは言えませんな」

と笑った後、

「正確に申しますと、うちでは20億しか用意できませんでしたが、これは既に税金を払った後の私有財産なのです。だから、先生が申告しない限り表面上に出ないお金なのです」

僕は思わずニヤッと笑っていた。

「わかっていただいたようですね。………では、そういうことで宜しいでしょうか?」

「いや。私が今まで他の会社に首を縦に振らなかったのは、まだ未完成の薬だということもあったからだよ」

「うちにも、小さいながらも研究室が用意されてますから、好きなだけスタッフを使って研究なさって結構ですよ」

「私の使いたい機械はかなり値段も張るよ」

「結構です。まさか何10億もしないでしょうから、好きな物を買っていただいて」

「では、私の好きなように重機備品も材料もそろえていいのだね」

「はい、勿論」

「もう一つ、20億はキャッシュにしてくれるかね?」
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