青春を取り戻せ!
「おじさん!もう行こうよ!」
少年は僕の右耳からヘッドホーンを外すと、耳に口を近付けた。
「ワーッ!起きろ!」
「ハッ!…うるさいな!起きてるよ」
「嘘だ!じゃ何で?何度も呼んだのに気が付かなかったの?」
(そうか?ここは図書館か!?)
既にレコードは止まっていて、左耳のヘッドホーンからは、宇宙人からの交信のような騒音が流れているだけだった。
「調べ物できた?」
「うん!」
少年は自慢そうに手垢で汚れたノートを開いた。
不格好なカミキリ虫の絵と、のたくったような文字があった。
僕らを無遠慮に睨んでいる視線に気付き、頭を上げた。
黒っぽいスーツの胸にプレートを付けた図書館員が、獲物を見付けた鷹のような目を向けていた。
「…後でゆっくり見せてもらうよ。それより、また追い出される前に退散したほうがいいみたいだよ」
僕らは後始末をすると、犬の待っている車に急いだ。
「若大将、待った?」
若大将は助手席のシートに猫のように丸くなっていたが、少年がドアを開けると、耳を立てシッポを振り、凄い勢いで舐めてきた。
「くすぐったいよ!よせよ!」
少年は僕の右耳からヘッドホーンを外すと、耳に口を近付けた。
「ワーッ!起きろ!」
「ハッ!…うるさいな!起きてるよ」
「嘘だ!じゃ何で?何度も呼んだのに気が付かなかったの?」
(そうか?ここは図書館か!?)
既にレコードは止まっていて、左耳のヘッドホーンからは、宇宙人からの交信のような騒音が流れているだけだった。
「調べ物できた?」
「うん!」
少年は自慢そうに手垢で汚れたノートを開いた。
不格好なカミキリ虫の絵と、のたくったような文字があった。
僕らを無遠慮に睨んでいる視線に気付き、頭を上げた。
黒っぽいスーツの胸にプレートを付けた図書館員が、獲物を見付けた鷹のような目を向けていた。
「…後でゆっくり見せてもらうよ。それより、また追い出される前に退散したほうがいいみたいだよ」
僕らは後始末をすると、犬の待っている車に急いだ。
「若大将、待った?」
若大将は助手席のシートに猫のように丸くなっていたが、少年がドアを開けると、耳を立てシッポを振り、凄い勢いで舐めてきた。
「くすぐったいよ!よせよ!」