【BL】偽りの愛
腕を掴んでいた手が離れ、そっと頬に添えられた。
「……初めてこの店に来た時から、ずっと気になっていた。寂しそうな表情をするくせに、投げやりな態度を見せるお前が。」
「………嘘だ。」
「嘘じゃない。いつ声をかけようか、ずっとタイミングを考えていた。だからお前が声をかけてきた時は、正直驚いた。」
こいつは一体何を言っているんだろう?
これじゃあ、まるで……。
「なぁ、聞いてるのか?俺はお前が好きだって言ってるんだぜ?意味、分かってる?」
意味……
意味なんて、
「そんなの分かるわけないだろ……。だって、そんな、あり得ない。」
「あり得るっての。ったく、信用ねーな。じゃあ分かるまで言ってやろうか?」
「い、いい!言うな!!」