ここにいるよ
「だって校門にいれば確実に会えると思ったんだよ」
「…………誰に?」
一樹が少し表情を曇らせる
「………」
忍は黙って一樹を見つめた
やっぱり、私じゃなくて一樹に会いに来たのかな…
分かってるけどやっぱりショックだな
「一樹!ごめん!またな」
グイッ
えっ!
気付いたら私は忍と手を繋いで校門を出た
背後から悲鳴とも言える女の子の声
それに………
「おい、待てよ!」
一樹の声
でも忍は止まらず私を連れ去る
「///」
期待していいの?
私に会いに来てくれたんだって
期待しちゃうよ?
こんな風に連れ去ってくれるなんて
何だか心が温かくなって幸せだよ
彼の後ろ姿を見ながら手を引かれ走る
前も走った日の事を思い出す
でも、今はあの時とは違う
走り終わった後に告白の返事が待っている
多分………
ちょっと恐くて彼の手をギュッと強く握った
彼も気付いて握り返して振り向き笑った
ねぇ、忍………
この手を離したくないって言ったらどうする??
もし、私が望んだら
あなたはいつもの
笑顔で『いいよ』って
言ってくれるかな……?