ここにいるよ
離れた一秒


「え!怒っちゃった?」

「………」

余りにも唐突で黙りこむ


初めて会ったのに想いを試されるなんてショックなのか失礼と思うのか分からないけど少し頭にきちゃって眉をひそめた



「ま、マジでごめんね…」


「………」

だんまりする私を見てあわてふためくハル



「本当ごめんね…」

テーブルに両手をついて真剣に謝り続けるハルを見たら怒る気力も消え失せる



「……大丈夫です」


「本当にごめんね…忍に近付く女って本気だとか一途だとか言って俺みたいなモデルとかが近付いたらコロッとあっさり切り替えちゃう子ばかりで……」



ハルは真剣に話し出した

私は何も言えずただ耳を傾けた



「俺と忍は小さい頃からモデルで仲が良くてさ…一樹と三人でつるんでたんだ。でもいつしか一樹は辞めてその頃から忍は少しふさぎ込むようになって…」



「……少し聞きました」


ハルは少し寂しそうな笑顔を向けまた話し出す



「あいつ、凄くモテて…たくさん女から言い寄られてた、でもあいつはその度に心から笑わなくなったんだ」



「………」


「俺、あいつの笑顔が好きなの…あっ!変な意味じゃないよ!誤解しないでね…」



「はい…私も好きです」


ハルは窓の外で電話してる忍を見てまた切ない笑顔



私まで少ししんみりしちゃった



「あの笑顔は卑怯だよな〜見てるだけで幸せって思える…どんなに俺がカメラの前で笑ってもあいつには勝てないんだから…」



「ハル……」
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