ここにいるよ
季節ハズレの…
―――
――――
―――――

「ん〜」

四時間目が終わり教室でうなだれてると、


「何だよ、うるせぇーな」

一樹からつっこまれる


パコッ

弁当箱で私の頭をこついた


「い、いた〜!何すんのよ〜」


叩かれた場所をさすりながら頬を膨らませた


「せっかくの飯がまずくなるだろうが…」


「だからって叩く事ないでしょ!お嫁にいけなくなったらどうすんのよ〜」


「ば〜か!その時は責任とってやるよ…」


「///」

「何て嘘だよ!真っ赤になってやんの〜」


「か、一樹!!最低!もう知らない!」


そう言って私は頭に来て売店にジュースを買いに行った


その後姿を見ながら一樹が

「別に責任とってもいいんだけどな…」と呟いた事は知らずに真っすぐ売店へ向かった



一樹ったらたまにドキドキさせる事言ってからかうんだから!


もう!最悪!

忍と初デートから一週間がたち少しブルーになってうなってただけなのに〜


一樹のばか〜〜


「カフェオレにしよ〜、里子のもついでに買っていこ」


一人でブツブツ言いながら自販機の前で立ってる



ザワザワと売店の前に生徒達が溢れてる


自販機の回りには誰もいないからゆっくり財布から小銭を取る



はぁ〜会いたいな〜

あれから毎日メールはしてるけどやっぱり会いたい


会いたいよ〜

幻でもいいから〜〜


チャリンチャリン…

ため息つきながら小銭投入すると


フワッ

突然、優しい風がふいた


………

………

ゆっくり辺りを見渡すと最後の10円を入れる手が止まる



…………

…………

な、なんで…


なんでここに…


驚いて持ってた10円を落とした


「なんで…」


私の目に映るのは幻なんかじゃなくて


「久しぶり…」


目の前に立っていたのは忍本人だった



忍はフワフワな笑顔でそこに立ってた



私の頭の中は真っ白になる
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