ここにいるよ


「何、ぶーたれてんだ?」


あれから急いで屋上に駆け付けたのに既に忍の姿はなかった



仕方なく教室に戻り不機嫌に自習のプリントをやりだした


「一樹…なんで忍いなかったの?」


「ハッ?知るかよ、そんなの」



「もう〜最悪」

「まぁ、人生甘くないってなっ!いい加減諦めてプリントやれよ!」


現実は受け止められず問題を解く手が止まる


そんな時、隣のクラスから悲鳴とも言える女子の声が響いた



「ハァ〜うるせーな」

一樹は耳を抑えしぶしぶプリントをした


私はすかさず教室を飛び出し隣のクラスを覗いた


!!!

し、忍〜!?

教壇前に彼は立ってた

女子達は瞳をにして騒がしい



ある何人かは泣き出してる子もいる


私も、少し前なら絶対泣いてる


嬉しすぎて…

でも今は同じクラスじゃない現実にショックを隠せない


「あらら、隣のクラスになったの?」


里子がいつの間にか隣に立ってた


「………ハァ…」

いいな〜

私もこのクラスに入りたい

完全に凹み教室へと戻った




5時間目が終わるとクラスの女子もチャイムと同時に季節外れの転校生の元へ…



『Rankの原田忍じゃない☆ちょ〜顔小さい〜』

『カッコイイ〜』

『こっち見ないかな〜?』

『ちょっとどいてよ!』

『邪魔よ!』


窓際に座ってる忍を女子の集団が囲んで我が我がとポジション取りをしてる



「忍が見えない〜」

「しょうがないわよ、あんなイケメンが来たら騒ぐのも無理ないわよ」


里子が私の頭を優しくこついた



「そうだけど…」

いじけて頬を大きく膨らせた


人だかりを避け廊下で立ってると全く彼の姿は見えなかった
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