ここにいるよ
扉が開くと同時に

「やっと来たか」

「へっ??」


一樹はいきなりため息をついた



私は紅茶を一気に飲み干す



「一樹!久しぶり」

「ああ…」



えっ、


誰かが一樹の肩に後ろから抱き着いた



一樹は嫌そうにソファーに座ったまま



「………」



う、嘘…


あまりにも突然すぎて声を失う



体が震え両手で口を覆う


その場に立ち上がる


この声って…


忘れる訳無い

たった一人

愛しい人の声だ

声が全身に浸透する




何でここに…

嘘じゃない……



だ、だってここに



忍が…………
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