憎しみという名の恋 ~光と影~
「お前、家どこ?」
「えっ!?あの…!」
「送ってやるよ。」
俺がそう言うと、驚いた顔をして見上げ
てきた。
「でっ、でも…!」
「いいって、お前、傘ないんだろ?」
「うっ…」
「それじゃ、案内お願いしまーす。」
「はっ、はい…。」
半ば無理矢理だったが、何とか送らせることに成功した。
…が、会話がない。
「「……」」
何か話題はないか…!?
「お前、傘とか忘れなさそうなのにびっくりしたわー…!」
咄嗟に思いついた話題がこれ。
…何やってんだ俺は…。
「えと、今日はちょっと寝坊しちゃって
天気予報見てなかったんです。」
「へぇー。そうなんだ。」
…会話終了。
慌てて次の話題を探していたら…
「あっ、あの、ここです!私の家。」
どうやら闇風の家に着いてしまったよう
だ。
闇風の家は小さいながらも小綺麗な風貌
のアパートだった。
「あの、傘ありがとうございました。」
「いや、大丈夫。」