憎しみという名の恋 ~光と影~
約束
「ただいまー。」
玄関の鍵を開けて靴を脱ぎながら、誰も
いない家に叫ぶ。
そしてそのまま部屋に入り制服も脱がな
いままベッドにダイブした。
「はぁー。」
今日は色々なことがあり過ぎた…。
その色々なことが全て影山くん関連なん
て…
「はぁー。」
2度目のため息をつきながら、ベッドの
隣の小さな机の写真立てを見る。
それは私が小学6年生の卒業式の時に撮
った家族写真だ。
お父さんとお母さんに挟まれて満面の笑
みで写っている私。
「っ…!」
不意に私の頬に流れた暖かいもの。
それは私の意思に反してとめどなく溢れ
てくる。
「っふっ…!うぅ…!」
小さく鳴き声を上げながら泣いている私
の頭に浮かんできたのは…
『また、明日な!』
さっきの、影山くんの言葉。
私なんかに明日があってもいいのかな?
「お父さんっ!お母さんっ…!ごめんね
!…ごめんなさいっ!」
何時間くらい泣いただろう…。
気づけばそのまま眠っていて、目が覚め
ると朝の5時だった。