憎しみという名の恋 ~光と影~
「っ!?//」
その姿に少しドキッっとしながらも闇風の隣の席に座る。
「どこがわからないの?」
俺がそう問いかけると闇風は慌てて教科書のページをめくり出す。
そんな闇風の姿に笑いを堪えながら、彼女の指差す問題を見る。
「こっ、ここです!」
闇風のわからない問題はこの間、先生が解説した問題だった。
「ここか?」
「はいっ!」
「この問題は、ここにこの式を代入して…」
俺が説明をすると、真剣な顔をして教科書に見入る闇風。
そのせいで彼女との顔の距離がぐんと近くなった。
微かに彼女から香る甘い花のような香りに、ドキッっとした。
「ッ!//」
多分赤いであろう顔がバレないように、説明を早く終わらせて、問題集を解くように言う俺。
俺が指示すると、彼女は俺から離れて目の前の問題集に集中し始める。
やっとこのドキドキが収まる、という安心感と共に、少しだけ寂しい、と思ってしまった。