憎しみという名の恋 ~光と影~
「はぁ!?誰が嬉しいかよ、あんな男勝
りなやつに告られて!」
瞬は口を動かしながら廊下側の1番前席
の色黒くがたいのいい女子を若干睨んで
ため息をついた。
…まぁ、あれは、な!
「じゃあ、どんなヤツに告られたいワケ
?」
そう言って瞬に目を向けると…
「そりゃあ、うちのクラスはないな!や
っぱD組の女子だろ!あのクラスに可愛
くない子なんてほとんどいねぇな!」
そうだった。
こいつは、顔しか興味ねぇんだった。
「ふぅーん。」
「お前が聞いたのになんだよ。その興味
なさそうな返事…。」
瞬がジトーっとした目で俺を見てくるが
あえてそれはスルーした。
「例えば誰だよ?」
「スルーかよ…!んまぁ、例えばー、学
年で1番可愛いナオちゃんとかー、最近めっちゃ人気のヒナちゃんとかかなー?」
瞬は瞳を輝かせながら明後日の方向を向いている。
「そっちじゃなくて!うちのクラスの可
愛くない子だよ。」
「なーんだ。そっちか。」
俺がそう言うとあからさまに残念な顔を
する瞬。
「ま、ノザキとか、タジマとかじゃね?
うちのクラスの地味子は。」