憎しみという名の恋 ~光と影~

瞬が挙げたのは休憩時間は毎日読書をし
て授業で必ず手を挙げるような真面目ち
ゃんだ。


「…でもまぁ、」


つまらなそうな顔から一変今度は窓側の
1番後ろの席へ視線を移しながら瞬は呟
いた。


「?」


俺はその視線を辿った。


闇風 光(ヤミカゼ ヒカリ)。


長い黒髪のお下げ。


目までかかる前髪。


分厚い眼鏡。


膝下まであるスカート。


闇風はいつも1人で人を寄せ付けないオーラを放っていた。


しかし他の真面目なヤツと同じ様な風貌
をしているものの、彼女だけは読書をす
ることもなく、ただじっと外を眺めてい
た。


「あいつさ、ちょっと不気味だよな。」


「は?」


瞬が呟いた不穏な言葉に俺は短く疑問を
返す。


「なんか、いっつも黙ってんじゃん。あ
いつの声なんかあんま聞いたことねぇわ
。」


確かに闇風はあまり喋らない。


でも不気味は失礼だろ!


瞬の失礼極まりない発言にツッコミを入れながらも、少し同意してみたり。

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