憎しみという名の恋 ~光と影~
「ま、どーでもいいけど…。」
なんだそれ。
自分から言い出したくせに。
瞬が呟くと昼休みの終わりを告げるチャ
イムが鳴った。
「じゃな!」
言いたいことを全て言った瞬はそそくさ
と自分の席に戻っていった。
瞬が席に戻った後、俺は闇風に視線を向
けた。
やはりそこには窓の外をぼーっと眺めて
いる闇風がいる。
周りがしている、今流行りのアイドルの
話も、もうすぐあるテストの話も聞こえているはずなのに、聞こえていないようにただただ外を眺める闇風。
そんな闇風の姿は、自分から周りに壁を
作っているようだ。
教室には、暖かい太陽が差しているはず
なのに何故か俺には彼女だけ影になって
いるように見えた。