憎しみという名の恋 ~光と影~
side光
何の色もない。
何の音もない。
モノクロの世界が、今日も始まる。
騒がしい教室。
はしゃぐクラスメイト。
その全てがどこか遠くの世界で起こって
いる事のような気がして。
私だけ蚊帳の外。
窓から見える太陽は眩しいくらいに輝い
ていて、私もその太陽の光を浴びている
はずなのに、私だけ影になっているよう
な気がした。
「キャーーっ//」
窓の外を眺めていた時、不意にドアの方
から聞こえた女子達の黄色い声。
その方向へ目を向ければ…。
サラサラした色素の薄い髪。
鋭い二重まぶたで茶色の瞳。
筋の通った高い鼻。
ほのかに色づいた薄い唇。
すらっと長い手足。
頭脳明晰、運動神経抜群。
何もかも完璧な彼の名前は、外の世界に興味のない私でも知ってる。
影山 星。
まるで私とは正反対の人。
私の世界がモノクロだとしたら、彼の世
界はきっと、色鮮やかで賑やかな世界。
「影山くんだぁー!」
「本当だー!」