憎しみという名の恋 ~光と影~

急接近!?


ーーーー「んっ…!」


…目が覚めると他の生徒はすでに帰って
いて空は分厚い雲に覆われ、今にも雨が
降り出しそうだった。


「もうこんな時間…」


教室の前の壁にかけてある時計を見てみ
るとその針はすでに18時を指していた。


「帰ろ…。」


私は立ち上がりすぐに荷物をまとめて教
室を出た。


外に出てみると、やっぱり雨が降ってい
た。


「はぁ…」


憂鬱だなぁ…。


そんなことを思いながら仕方なくスクールバッグを頭に乗せて雨の中を走る。


…でも、正門の辺りで諦め、スクールバ
ッグを下ろしとぼとぼと歩きだした。


空を見上げればさっきよりも雲が分厚く
なって夜みたい。


「冷たい…。」


まだ数歩しか歩いていないのに、制服が
水を吸ってずっしりと重くなる。


「くっしゅん!」


空から遠慮なく降ってくる雨が身体の体
温をどんどん奪っていく。



私は自分で自分の身体を抱きしめた。


しかし、次の瞬間私の周りだけ雨が止んだ。


ふと後ろを見るとそこには…


「っ!?」


影山 星がいた。

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