エンドレスラブ(完)
Endless3
かっこいい男の人に連れて来てもらったトイレは
さっき克哉兄さんのインタビューを受けた部屋の隣だった。
根本的に私、克哉兄さんの話聞いてないなι
「あ、ありがとうございましたっ!」
「いーえ。」
ポン、と頭を軽く叩いてから、その人はさっき来た道を戻って歩き出した。
めちゃくちゃかっこいい…///
その人に触れられた所を押さえながら、余韻に浸っていると…
ガチャッ
「おい若菜!」
克哉兄さんがドアから顔を出してきた。
その手には…
エンドレスラブの本。
克哉兄さんの声を聞いて、
さっきの男の人が振り返る。
克哉兄さんはその人に気付いてないみたいで、どんどん私に近付く。
なんか…嫌な予感。
「ちょ、克哉にぃ…」
「おい、お前が書いた本忘れるなよ。」
そう言って克哉兄さんは持っていたエンドレスラブの本を、
さっき男の人が触れた頭の部分に
コツンと叩いた。
自分で自分が青ざめていくのがわかる。
もうこれ以上言わないで克哉兄さん……!!!