エンドレスラブ(完)
「鈴木さん!」
世良修吾が突然誰かを読んだ。
「あ、ハイ!」
返事をした人は、
さっき私に声を掛けた女性スタッフ。
かなり顔紅くなってますけど?
「すみません、この人同じ事務所の新人のモデルなんです。
今勉強中で、しばらくは俺と一緒に行動するんです。」
淡々と話す世良修吾。
とっさに出たとは思えない台詞だったので、
こうなることは予想してたんだろう…。
「そ、そうなの。こっちこそゴメンね!」
鈴木さんという女性スタッフは足早に私の元から離れた。
「なんなら、その子も一緒に撮ってあげるか?
雑誌には載せないけど、今日は一際いい写真撮れたからそのお礼に。」
20代の若手の男性カメラマンが誘う。
「マジっすか?!
さすが悟サン!!ありがとうございます!!」
世良修吾がその誘いを無邪気な笑顔で快く受けた。
「橘さん、こっち。」
優しく微笑みながら手招きする彼。
…断ったら……悟サンに失礼だよね。
嫌だなーと思いつつ、
作り笑いをしながら彼の元へ向かう。