エンドレスラブ(完)
Endless9
彼女の気持ちは、
よくわかる。
今だって、ほら。
テレビに映る二次元の彼と…その隣にいる華チャンに、
私は多分、
華チャンが私を見掛けた時と同じ感情を抱いていると思う。
少し開いた部屋の窓から流れる冷たい空気。
蒸し暑い昼も、夜になれば肌寒い。
今はその肌寒さがよく染みる。
…一人だからかな。
たとえ凍えそうな冬が来ても、
隣にあなたが居れば…高鳴る胸の鼓動で、
体の芯までポカポカになれる気がするの。
…………………って。
「「何言ってんだ自分ーーーーーーっ!!!」」
うおーっと頭を抱えて悶える私。
周りから見れば、私のこの感情は紛れもなく『嫉妬』
でもそれを認めたくない自分。
でも彼の隣は私だけ、という独占欲を抱く自分。
…矛盾の心が、私の思考をおかしくする。
テレビを通して映画の宣伝をする、
世良修吾と華チャンを観ながら、
…自分自身に苛立ちを覚えた。