三度目の正直
チームの団結力を強めるため、団長になった美智子が最初にしたのは、チームの中心となる5年生4人と、その母との目標の共有である。
チームを引っ張る4人の目標が違ったら、ついてくる下級生たちも、どこを目標にしたらいいのか分からない。
4人の気持ちは、一致団結していた。
すんなり、
『県大会優勝!全国大会出場!』と目標が決まった。

では、そのためにはどうするか…
過去3年、県のトップクラスの試合を見てきた。
そして、すぐ側に、優勝まであと少しだった人たちがいる。
次の練習のとき、4人は6年生に頭を下げた。

「私たち、今度こそ優勝したいです!そのために、力を貸してください」と。

それに快く応じてくれた6年生。
美和と幸恵も加わり、ポジションことにマンツーマンで指導をしてもらうことになった。


そうしているうちに、初めての練習試合を行うことになった。
相手は近くの小学校2チーム。
ここ数年、県大会の常連になっている米倉小と、地区予選で1勝できればいい相手チームとの差は歴然で、相手には失礼ながらも、5年生4人は4クォーターの残り3分に出場しただけ。
それでも、最初の試合は58対21、次の試合も63対18で、米倉小が圧勝した。



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