男子1人のシェアハウス

先輩は爽やかな笑顔から変わって真剣な顔になった。

「返事は後でもいい。考えといて。」

じゃあ、と手を挙げ去っていった。

「無理だよ…。先輩を断るなんてもったいない。」

家に帰ってもずっと先輩の顔が頭から離れない。

次の日登校途中にバッタリと先輩に会ってしまった。

気まずくて俯いていたら、

「おはよう!!田上。」

と頭を撫でてくれた。

「おはようございます。先輩。」

また爽やかな笑顔で去っていこうとしたので手首を掴んだ。
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