MIHO
ストラップ


高橋正則から受け取った金はそのまま部屋に置いてある。


私は今日も、この街の陰気な空気の中を歩いて店へ向かう。


人生を投げ出したソープ嬢として働くために。


明日こそ死のう、
明日こそ死なねばならぬ。


そう思いながら、私は今日も生きてしまっている。


自分の部屋のように馴染んだ個室で寝そべりながらストラップを照明にかざすと、ベネチアングラスがきらきらと輝いた。


明日こそ死のう、
明日こそ死なねばならぬ。


そう思いながら、私は今日も生きてしまっている。


それでもいいか、と思いながら、私はMIHOと名前が入ったストラップを携帯につけた。
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