シャンゼリゼ
「相太!」
駆け寄ろうとしたその背中は、見覚えのないもので。
(まさか…)
靴を脱いで上がって来たのは、さきほどの彼だった。
「相太ならまだ帰らないと思うけど」
「……へっ、」
話し掛けられたことに驚いて素っ頓狂な声が出た。
「相太に会いに来たんだろ」
「あ、はい!」
「部屋で待ってれば」
「そう…ですよね」
相太を知ってるってことはやっぱり友達なんだよね。
初めて会う人だからびっくりしたけど、こうして戻って来たってことは空き巣じゃないわけだし。