シャンゼリゼ
「じゃあ居場所どこ」
「知らない」
「ねえ、絶対女の所でしょ。友達だから相太を庇ってんの?」
相太の部屋にいる時点で、何か事情は知ってるに違いないのに。
腹立つなもう。
「庇ってるつもりはないけど。ここに居させてもらってる以上相太の機嫌損ねる訳にはいかない」
「なんで帰んないの。家賃滞納中とか?」
「…まあそんなとこ」
よくわからないけれど、律儀な同居人に邪魔されてどうすることもできない。
「相太っていつぐらいに帰ってるの」
「大体明け方だけど来ない日の方が多い」
「ふーん」
カシュッ。
袋のビール缶を奪い、景気良くプルトップを開ける。