シャンゼリゼ
「橋くん」
「…何」
「ピザ食べる?」
「シーフード」
「え―、マルガリータがいい」
「両方で良いじゃん」
「だね」
ピザ屋に電話をかけながら緩む唇を噛んでいると、鋭く指摘された。
「何ニヤついてんの」
「ふふ、だって初対面の時のやり取りのまんまだもん。余るなら食べるとか言いながら、注文の時に橋くんシーフードがいいって譲ってくれないし」
「二つの味楽しめていいじゃん」
「二人とも変わんないよね―。あれから」
「変わったよ」