シャンゼリゼ
おまけ
橋という人
「橋ってさ、変わってるよね」
サークルの飲み会。
グレープフルーツサワーを飲み下してからそう言えば、いつもの冷たい目線が返ってくる。
「俺から言わせればお前の方が変わってるけどな」
「例えばどんなところよ」
「本人に向かって変わってるとか言うところ」
「…あは」
私はいかの塩辛を口に運びつつ笑った。
サワーに塩辛なんて奇妙な組み合わせだけど、私は強い酒が嫌いなくせに塩辛が好きなのだ。
「あ、悪い意味じゃないよ?個性的っていうか周りに流されない真っすぐさっていうかね?」
「…」
「ちょっと橋ぃ。無視すんな」
「酔っ払いうるさい」
彼は不機嫌そうにジョッキを煽る。