シャンゼリゼ
「もっと飲めよ~」
頬にぐりぐりとジョッキを当てられ、橋はますます不機嫌そう。
「うぜ…」
それでも冷静に腕を外しながら、ため息をはく。
「お前今日も帰んないの」
「え―。ん―」
相太は橋の質問に答える気がないのか、唸りながら今度は私の肩に手を回した。
「今日は奈美恵ちゃん家に泊まるかな~」
「…あっそ」
橋が素っ気なく言いながら立ち上がり、私に軽蔑するような目線を向けたのをつむじに感じる。