シャンゼリゼ
「─あ」
珍しい時間に乗った電車で、橋くんと再会した。
「橋くん橋くん橋くん」
「なに」
「はっ─くしゅん!」
「ギャグ?」
「ごめん今のマジだから、偶然くしゃみ出ただけだし」
鼻を啜りながら
どこか行こうよ
と誘うと予想外に彼はアッサリ頷いた。
「でも久しぶりだね~」
近場のカフェに入りカフェオレで一息つく。
「あん時すごかったよな」
「ん?」
「俺の目の前で相太にひざづめの説教。あれだけボロクソに言われたあいつ見て、なんか俺スッキリしたし」
あたしは
あっはっは
と高らかに笑って胸を張った。
「あれだけのために一ヶ月待ってたんだから、当たり前でしょ?」
ふと窓の外を見るとすでに陽が傾いていて、秋の近づきを感じる。