シャンゼリゼ



おっしゃる通り。

一ヶ月近く同じ時間を過ごして、橋と彼女は少し親しくなったようだった。

説教が始まる前、部屋を出ようとした橋に、


「橋くんは気を遣わなくていいから!」


と彼女は一喝していた。


「修羅場に同席する方が気を遣うよな」

「笑いこらえるの大変だった」


不思議と張り詰めていた空気が緩んで、俺達はいつになくリラックスしていた。

別れたっていうのに。


「…一ヶ月悪かったな」


彼女が来ているのを聞いても、俺は橋にバイトを頼み続けた。

内容は
俺のアパートにいること。



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