シャンゼリゼ
ぬるい風を浴びて少しずつ、濡れた肌が冷やされていく。
でもシャワーがまだの橋くんは暑いみたいだ。
盗み見た横顔がなんだかかっこ良かったから、ちらちらと視線を送ってみる。
「なに」
自分の右隣に熱を感じるのが嬉しい。
「ふふ、さっきさ、お風呂上がってどんって音がしたから、橋くんが何か落としたのかと思ったんだよ。聞いても、うんって言うし」
私の好きな切れ長の目をまっすぐ見返して、続ける。