桃色初恋、甘口キス
「な、に……」

驚いたあたしは、顔をあげた。
真っ赤な顔の黄原と目が合った。

「青葉うみ!
お前がことが、どうしようもなく好きなんだよ!!
信じてくれよ、お願いだから!」

「本……気……?」

黄原は今まであたしをからかっていた。
可愛くない、恋も逃げる、と。
あたしはそれがずっと、黄原の本心だと思っていた。

でもそれは、違ったらしい。
今までのことは謝ってくれたし、これからは本当に本当に、正直な気持ちを伝えてくれるんだろう、そう思う。

でも、やっぱり……。
からかわれているんじゃないかって気持ちが拭えない。
言葉を素直に受け止めることが、できない。

「その顔、まだ信じてないな?」
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