桃色初恋、甘口キス
「なんだ……。
驚かさないでくれよ、振られたと……」

力が抜け顔で、こちらを見つめる黄原。

「振ったつもりはないけど……。
何かごめん」

「じゃあ、さ、そうだな……。
時間をかけて、信じてくれよ……な?」

え、時間をかけて、信じる……?

「俺、毎日お前に可愛いって言う。
好き、とも伝える。

今まで何ヶ月も、可愛くないってからかい続けて……。
時間をかけて、そうだと思い込ませてしまったんだよな。
今度は、その逆」

時間をかけて、可愛いって、好きって、信じさせてみせるよ。
だから、俺のことも、いつか好きになって?

黄原が、ふわりと優しく微笑んだ。
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