桃色初恋、甘口キス
「うみちゃんうみちゃん!
あの、あのね……?」

週が明けて月曜日。
朝、愛ちゃんが駆け寄って来た。
真っ赤な顔で、

「愛ちゃん、何度も言うけど……。
そんな顔、簡単にしちゃ、ダメだって」

今日も可愛い愛ちゃんは、やっぱり自覚なしに周囲の男子をそわそわさせている。

こら男子!
愛ちゃんには緑木先輩っていう彼氏がいるんだからね!
そんな目で愛ちゃんを見るのはやめなさいっての。

「で、どうしたの、愛ちゃん」

「あの、ね……?」

キス、しちゃった。

ああしの耳元で、愛ちゃんは小さくそう言った。

「て、え? うん?」

驚きすぎて、訳の分からない言葉が口をついて出た。
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