桃色初恋、甘口キス
「青葉、おはよう」

「あ、うん。おはよ……」

真っ赤な顔を逸らすあたしと違って、黄原は普段通りに見える。

平気そうだし、やっぱり、からかってたのか?

席に着いた黄原は、隣から身を乗り出して、あたしの耳元に唇を寄せた。

「青葉、今日も可愛いよ、好き」

え、なに、それ……。
恥ずかしすぎる。

黄原、本物か?
偽物……じゃ、ないよな?

「なぁ青葉。
どうして今日、俺来るの遅かったか、知ってる?」

「し、知らない、そんなん……」

「青葉と顔合わせるの恥ずかしくて、もたもたしてたら遅くなった。
でも、今日も隣にいれて、嬉しい」
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