優しいカレの切ない隠し事
恋人はイケメン上司
「松山課長、チェックお願いします」
「ああ、ありがとう花井」
ニコリと書類の束を受け取る圭介に、わたしも小さな笑みを返しデスクへ戻る。
ここは、大手出版社のタウン情報誌部門。
わたしはそこで、編集の仕事をしているのだ。
タウン情報誌というだけあって、近郊のレストランやホテル、それに旅館などを取材に回り、その情報を雑誌にしている。
編集という仕事は3年の経験はあるけれど、この会社での仕事はまだ1年くらいだった。
< 1 / 192 >