優しいカレの切ない隠し事
栞里さんくらいにもなると、圭介と二人きりのミーティングも多い。
それだけ、役職者と大事な話が出来るのだから、憧れがないと言えばウソになる。
だけど、やっぱり行き着きたい場所は、『恋人』としての圭介の隣だった。
「わたしこそ夢のまた夢です。きっと、栞里さんの様なカッコイイ大人の女性にはなれません」
「全然、かっこよくなんかないわよ」
微笑む栞里さんに、わたしは小さく首を横に振ったのだった。
仕事は大事だし、純粋に意欲はある。
だけど、やっぱり一番大事なのは圭介で…。
頑張りたいのは、プライベートの方だ。