優しいカレの切ない隠し事
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相変わらず、大きな実家…。
純和風の邸宅は、わたしが訪れていた時と変わらない。
緊張で立ち止まるわたしに、聖也は離れを案内した。
「着替えだけだから、離れで十分。だから、母さんはいないよ。安心したか?」
いたずらっ子の様な笑みを浮かべ、離れのドアの鍵を開けている。
「もう…!わざと含みのある言い方をしたんだ?」
「そうだよ。カマかけてみた。ていうかさ、母さんに話したんだよ。陽菜と再会したって」
「えっ!?お母さんに?」
「あっ、母さんと同じ顔したな。母さんも、今の陽菜みたいに驚いてた。どちらかというと、気まずそうな驚き方だったな」
ヤバイじゃない。
聖也は何かを勘付いている。
それを今、わたしで確かめようとしてるんだわ。