優しいカレの切ない隠し事
聖也と別れた理由
黙ったままのわたしに、聖也は小さくため息をつくと、頭を優しく撫でてくれた。
「図星だな。また言いたくなったら話して。オレは、今の彼氏との愚痴でも何でも聞くから」
「うん…」
ありがとう。
それが言いたいのに、素直になれない。
「よし!気を取り直して着替えだ。陽菜、服脱いで。オレが着せてやるから」
「えっ!?まさか、聖也って着付けが出来るの?」
「当たり前だろ?とびきり可愛くしてやるから。ほら、おいで」
「う、うん…」
きっとわたしと別れてから、着付けの勉強をしたに違いない。
なんだ…。
ちゃんと、前に進めてるんじゃない。
ホッとしたような、少しときめくような、変な気分。